サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書 1941)



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サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書 1941)

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40代の著者の仕事に脱帽

サブプライム問題が発端で世界が直面している金融、インフレ、景気などの経済問題を一般市民が正確に理解されるように著した優れた書籍です。
米国における住宅金融の概観が説明されており、公的ローンと民間ローンの種類、規模、占める割合など本問題を考える上での全体的な枠組みが提示されています。
民間ローンであるサブプライムローンの仕組みと拡大の原因を整理した上で、国際金融市場への波及とアメリカ政策当局の対応について解説している。
丁寧に資料にあたり定量的に分析しており、説得力がある論述です。
アメリカ政策当局の対応については、「今回のサブプライム危機を減税と金融政策のみで乗り切るのはいよいよ困難な情勢になってきた感がある」との判断を述べています。
また、日本の実態経済への影響として、「資源インフレ」「米国や新興国における景気減速」「逆資産効果」の3つのルートについて分析し、「外需頼みである」日本の2008年の景気のカギは「アメリカの景気がどれほどもちこたえるか、またデカップリング論が成り立つかにかかっている」と要約しています。
とてもタイムリーな本で、もっと多くの方に読まれてしかるべき書籍です。
サブプライムを通じて見えてくる住宅ローンの課題

そもそもサブプライムとは何か。そしてどこが問題で、米政府のとりうる対策から
現状についてわかりやすい解説。
非常によくまとまっており、これ一冊でかなり理解は進むと思われる。

後半、日本における住宅ローンの証券化まで含めて解説してあるのが嬉しい。
債務の証券化と聞くとマイナスイメージを抱きがちな現在だが、適正な情報開示と
ルール遵守さえ行われれば、それは貸し手、証券の引き受け手、そして変動金利のリスクを
一手に引き受けさせられている個人にとってもメリットのある手法なのだ。


タイトル通りの良書

 サブプライムとは何ぞやから始まって、小口の住宅ローンまとめて証券化
した「だけ」の一金融商品が、どうしてここまで劣化し、それが波及して
金融市場全体に現状の事態を引き起こしたのか?という点を詳細に説明して
います。
(サブプライムという言葉が毎日複数回掲載されている日経でもここまで
掘り下げた説明は無い)

 加えて最終章ではこの問題を受けて「では日本はどうすべきなのか?」と
いう点にまで論及しています(本来ならそれだけで一冊書ける話なので
「こうした方が良いよ」レベルに終わっているのは勿体無いのだが、課題点の
整理にはなる)。

 専門用語が飛び交ってますが、詳細な補足説明(ちょっと脇道に逸れる
ところもあるがそれも御愛嬌だ)に、多くの図表を用いての説明等、新書と
いう体裁を理解した作りになっているので一般人でも読めます。
(でも、新聞の経済面を日頃読まない人にはちょっと辛いかも)

 世界経済が相互連結している以上、自分には直接の害は無くとも、間接的に
ジワリジワリとその影響は及んでいます。そういう現実を踏まえると本書は
読んでおいて損は無しと判断する次第です。
図表資料多く、緻密な問題分析

アメリカの住宅ローン市場というのがとてつもなく巨大だ。日本の5倍以上ある(残高1000兆円!!)。サブプライムはそのうち2割程度だが、それでも日本と同じ程度。それがことごとく焦げ付くか?というのだから、日本のバブル崩壊とは比較にならないインパクトがある可能性も感じる。日本にも「地価は下がらないという」神話があったが、アメリカもこれまで地価が下落すると言う経験がなかった。カリフォルニアやフロリダでは2002,3年で5割以上の値段に跳ね上がるということも珍しくなかった。トレンド線を大きく離れたのに、それでも「まだ上がる」とみんな思っていたのが崩壊した。金利変動型サブプライムローンの延滞率は20%とありえない数字だ。

本書はページ毎に統計、スキームを描いた図表などを掲載して、問題理解を促進してくれる。住宅ローンの金利選択で、固定金利より安いということで、変動型金利を選ぶ人が多いのだが、変動型選択者は固定型選択者に比べ、延滞率が高いことが統計は示す。(プライム、サブプライム共通で起こっている)。変動金利、とりわけ金利先送り型では、金利が上昇して地価が下がった場合、あっという間に破綻してしまう。にもかかわらず、みんな「もう家が持てなくなる」あるいは「まだ儲かる」と焦って無理なローンを組んでしまった。日本であれ、アメリカであれバブルの渦中にあるとバブルが見えないんだなあ、とローン残高、地価、延滞率など、2004年あたりから急ピッチな右肩上がりを示す(そして2007年に急落するのだが)各種統計から感じた。



中央公論新社
金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス (岩波新書 新赤版 1123)
中国汚染――「公害大陸」の環境報告 (ソフトバンク新書 69)
アメリカの経済政策―強さは持続できるのか (中公新書 1932)
サブプライム後に何が起きているのか (宝島社新書 270) (宝島社新書 270)
ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書 (1943))